「道をひらく」シンプルな考えは決して色褪せない

photo credit : Hugo90 via flickr
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何年か前に、父が病院への通院回数が増え、便利の良いマンションに引っ越すことになった。手伝いで田舎の実家に帰り父の書棚を整理をしている時に、持っているのと同じ本が出てきた。経営の神様ー松下幸之助「道をひらく」である。思い出した。そう言えば、父の書棚にはこの本が確かにあった。父が蔵書していたことすら忘れていた。学生の頃、多分その当時からベストセラーだったこの本を、読破するというより流し読みをしていた程度だった。滑稽なことだ。実家にあったこの本と同じ書を何年か前に買っていたのだ。そして、知らずに何度も何度も読み返す本となっていた。大切な本。それには次の一節がある。心がブレた時のビタミン剤になるーその言葉をこのノートに書き留めたい。

       自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。

      どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。

      自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがいのないこの道。

      広い時もある。せまい時もある。 のぼりもあればくだりもある。

      坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。

      この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。

      なぐさめを求めたくなる時もあろう。

      しかし、所詮はこの道しかないのではないか。

      あきらめろと言うのではない。

      いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、

      ともかくもこの道を休まず歩むことである。

      自分だけしか歩めない大事な道ではないか。

      自分だけに与えられているかけがいのないこの道ではないか。

      他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、
      道はすこしもひらけない。

      道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。
      心を定め、懸命に歩まねばならぬ。

      それがたとえ遠い道のように思えても、
            休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。
      深い喜びも生まれてくる。
  
                  (松下幸之助著「道をひらく」 より)

道をひらく

父が何年もこの本を持っていたワケが、少しわかった。
成功者は常に前を向いて歩いている。
そして、その言葉は色褪せない。