あたりまえに過ごす毎日が、一番幸せです。
数ヶ月前、親しい友人の父親が直腸がんで亡くなった。67歳だった。四十九日の法要を済ませたその友人と先日、酒を飲んだ。「結局、何もしてあげられなかった。」とぼそっと呟いた。現在、「がん」は生涯のうちに2人に1人がかかる身近な病気だ。調べてみると、住んでいるここ京都でも、1年間で約15,000人の方が「がん」と診断されている。(参考:京都府がん情報ガイド)日本の各地方自治体は、その対策に力を入れている。ちょうど1年程前の3月にも「京都府がん対策推進条例」が制定された。
そこで、がん患者の方々やそのご家族のために、そして自分のために、
「がんに関する情報」をまとめてみた。
がんと診断され、治療方法について知りたい
「診断・治療方法」は、国立がん研究センターのがん情報サービス
⇒http://ganjoho.jp/public/index.html
そのサービス内の「がんの冊子」は、がんの部位ごとに病気や診断・治療方法を解説した冊子が閲覧できる。
⇒http://ganjoho.jp/public/qa_links/brochure/
セカンドオピニオンについて
主治医以外の医師に意見を聞き、そこで得た意見をと持ち帰り、再度主治医と今後の治療についての検討をする。そうすることで、がんへの理解を深め、適切な治療の選択ができる。現在では、患者としての権利として積極的に活用したい。がん治療連携拠点病院などには、セカンドオピニオン窓口が設けられている。セカンドオピニオンの料金については、病院によりことなるので、事前に電話などで確認が必要。
緩和ケアについて
緩和ケアとは、がんとの診断を受けた患者の方が自分らしく生きるために、身体や心の苦痛を和らげる治療を受けることだ。緩和ケアは、がんで治療ができなくなった人のための最後の医療(終末医療)と誤解をされがちだが、がんの療養中はいつでも受けることができる。近くの「がん相談支援センター」に連絡をして紹介を受けることができる。
コチラの緩和ケア普及事業−緩和ケア.netが充実している。
緩和ケア病棟(ホスピス)
ホスピスは、専門的な知識と技術に基づいた緩和ケアを提供する施設だ。がんの進行に伴う身体のつらい症状や精神的な苦痛、手術や抗がん剤、放射線治療などを希望しないあるいは適応しない患者の方を対象としている。
在宅治療を受けたい
自宅で療養を受けたい、通院が困難な場合は、各都道府県の在宅医療機関を探す。
医療費のことが心配
医療費が高額になる場合は、一定の条件に当てはまる場合は、高額療養費制度を受けられる。
加入している公的医療保険の窓口(保険証に記載有り)に問い合わせする。
支え合いの場を活用する
各都道府県には、がん患者支援団体や患者サロンがあるので、相談をする。がん患者サロンは、がん患者やご家族の方々が同じ立場で心の悩みや体験などを語り合うことができる。例えば、京都では、以下などがある。
京都YMCAボランティアビューロがん患者さんの会(京都YMCA三条本館3F)
葉月プラナスの会(京都府庁NPOセンター)
京都がんサロンレモンタイム(京都リサーチパーク1号館−社団法人HAL研究所会議室)
インターネットで情報を入手しよう!
(※各サイトにリンクを貼りましたので活用下さい。)
国立がん研究センター
各種のがんについて、がんが疑われた時から治療後の生活まで、その時点で必要な情報が閲覧できる。
日本対がん協会
がんの基礎知識や、がん検診の情報が掲載されている。
PDQがん情報サイト【日本語版】
アメリカ国立がん研究所(NCI)が提供している最新の治療情報を入手できる。
医薬品医療機器情報提供ホームページ
薬の添付書類や副作用の情報がまとめられている。
けんぽれん病院検索サイト ほすぴたる!
健康保険組合連合会が運営し、全国の医療機関が疾患別、治療内容別で検索できる。
WAM NET
独立行政法人福祉医療機構が運営し、各都道府県の病院の検索ページがある。
末期がんの方の在宅ケアデータベース
地域別に、在宅療養支援診療所の所在地はその医療内容がわかるサイト。
ライフパレット
がん患者の方自身が参加するコミュニティサイト。日記や体験記、Q&Aなどが閲覧できる。がん以外の病気の患者の方も参加している。
Life is Special Days
私はこれまで医者として、
病をどう防ぐか、病をどう治すか、
患者さんとどう向き合うかについては、
それなりに心してきたつもりです。
しかし、病とどう生きるか、ガンとどう付き合うか、
それは、私にとって全く新しい経験です。
−久賀征哉 著「風に吹かれて−開業医の食道ガン病床雑記」海鳥社より−
病人でいるコツ。
それは、「健康のときには見えなかったことが、
病気になったゆえに見えることがあり、
健康のときにはできなかったことが、
病気ゆえにできることがある」ことに、
一日も早く気づくことです。
−久賀征哉 著「風に吹かれて−開業医の食道ガン病床雑記」海鳥社より−
あたりまえに過ごす毎日が、幸せで、素敵なこと。
健康でいると、そのことに気づきにくいです。
生きていること自体が素晴らしいこと。
実は、それは本当は特別なこと。